
【さいたま市地産地消】学校給食に地元野菜を届けるのは難しい。
【さいたま市地産地消】学校給食に地元野菜を届けるのは難しい。
「給食に地元野菜を入れましょう」——この言葉は一見、地球にも子どもにもやさしそうだ。でも、さいたま市の学校給食に地元の野菜を届けようとすると、その裏側には意外なハードルがいくつも立ちはだかる。理想と現実のギャップ。その舞台裏をのぞいてみよう。
「地産地消」はきれいごと?
SDGs、地域活性、食育。
言葉はカッコいい。でも、現場でそれを実現するのは簡単じゃない。
地元農家が作った野菜を学校に入れるには、農家、栄養士、学校のPTAなど調整に時間も手間もかかる。
その間に、市場流通の野菜はあっという間に給食に届き、価格も安定している。
給食に地元野菜を届けようとすると、理想と現実が交差することが垣間見える。
価格の壁と「公平」のルール
「地元だから高くても買いましょう」…とはなりにくいのも給食の世界。
学校給食は税金で運営されるため、価格や品質は厳密に管理される。
先生方も地元野菜を取り入れることに前向きな一方で、価格や品質の不安定さが給食に地元野菜を取り入れるハードルになっている。
地元農家としては誇りある野菜を提供したいが、「予算」「品質」という壁が立ちはだかる。
物量と規格の壁——地元農家には「多すぎる」「合わせられない」現実
給食は、数百人〜千人を超える子どもたちが一斉に食べる。必要なのは一度に大量の野菜だ。
しかし、地元農家は個人規模が多く、旬や天候で収穫量が変動する。
「今日は200kgのキャベツが欲しい」と言われても、畑は待ってくれない。
「我が校は生徒数が多いから、地場の農家では対応できないだろう」
取り組みを開始する以前にこの壁を突きつけられ、農家としても不安になってしまう。
さらに、給食は「当日納品当日調理」という原則が存在する。
そのため、野菜は当日に1から調理されるため、大量調理するには「規格が揃っていること」が大前提になることが多い。特に生徒数が千人を超えるようなマンモス校では時に「じゃがいも100キロ」と言った注文が入る。
これを給食の時間までに処理をしないといけない手間を想像すると、大きさはちゃんと揃えないといけないと思う。
物流という落とし穴
物量が揃ったとしても、次は物流。決まった時間に決まった形で複数校へ一斉配送。
そのための配送車、ドライバー、仕分け作業…地元農家単独では対応しきれない現実がある。
過去数十年、地産地消に取り組もうと努力を重ねてきた農家も今や高齢化が進み、自らが配送するという手段を取れなくなっている。
地域のために貢献したいという意欲だけでは、なかなか学校給食へ地産地消を実現させるのが難しいのが現実。
地元の野菜を地元の子どもたちに食べてもらう——その絵は美しい。
だが、その裏側には物量、価格、物流、制度という現実的な壁が存在する。
地産地消は情熱だけでは成立しない。だからこそ、現実を直視し、壁を一つずつ崩していく覚悟が必要だ。
農BASEがその壁を壊す
地元農家の物量不足、価格の制約、物流の難しさ——これらは何十年も「どうにもならない壁」とされてきた。
だが、農BASEはそこに真正面から挑む。
複数農家を束ねて物量を確保し、学校給食に合う規格・納期に合わせて調整。さらに独自の物流体制を構築し、必要な時間に必要な量を確実に届ける仕組みを作り始めている。
「地産地消」をスローガンでは終わらせない。
農BASEは、現場で汗をかきながら、その壁を一つずつ崩し、さいたま市の「地元野菜の未来」を少しずつ形にしていく。
ご賛同・協力頂いている「さいたま市の農家様」
鈴木屋
金子農園
森田農園
中野農園
遊馬農園
飯田農園
鈴木農園